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弱み

 地元に住んでいる中学生以来の友人たちが、私の住んでいるまちを訪れてくれた。美味しいものをたらふく食べ、酒を水のように飲み、二日酔いになりながらいくつかの観光地を適当に回った。とても楽しい、懐かしい時間だった。

 帰る友人たちを見送りに空港まで行った。空港で誰かを見送る側になるのは初めてのことだった。手を振りながら、私も友人たちと共に地元のまちまで帰りたいと強く思ってしまった。最近、独り言でもよく、帰りたいと口にしてしまうから、よくない。

 私は自らの意志で東京を離れ、田舎のまちに住むことにしたはずなのだから、そのような気持ちを抱くべきではない、と思う。とはいえ、自らの選択自体を後悔しているわけではない。自分自身がこの場所に存在しているということに納得することと、折に触れて帰りたくて仕方がなくなることは、共に成り立つ感情なのだ。

 友人たちに囲まれて暮らしているときは全く気が付かなかったが、ひとりでいるとよくわかるのは、自分自身がとてつもなく弱い人間だということだ。