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1年前の今頃の日記その5 チベット寺院にて

起きてから宿を出ようとするが、宿主が見当たらない。いつもロビーに居候している男(彼は私を見かけるたび「コニチハ!」と話しかけてきた)に尋ねると、スマホの翻訳機能を使って「boss go out」と教えてくれた。いつ戻って来るのかもわからないというので途方に暮れるところだったが、彼が精算の手続きをしてくれるようだった。彼には釣り銭の手持ちがなかったので、他の部屋に宿泊している旅人からお金を借りてきて、それで建て替えてくれた。彼と旅人に礼を言ってから温かい気持ちで宿を出た。広場でチベット族の老婆がパンとミルクを売っていたので買って食べた。パンはバサバサしていて、ミルクも甘ったるく、おまけに500円も取られたが、いい気分だった。

路線バスに乗って、ポタラ宮のような見た目をした寺院に向かった。途中からチベット族の人々が続々と乗ってきてバスは満員だった。寺院に着くと私は2,300円の観光客用チケットを購入したが、彼らはお金を払わずに脇の道から入っていった。チベット族が多くいたのは、この日は何かしらの祭事が催される日のようだったからのようだった。彼らは参道を何かが通るのを待っているようだったので、私も一緒になってその何かが通り過ぎるのを待っていた。しばらくすると赤い衣を身に纏った僧の一行がやってきた。最初は旗を持った僧が通り、次に装飾が施された馬、楽器を持った僧、宝物と思われる道具を抱いた僧などが続いた。そのあとで輿に座らされた仏像が通ったとき、見物客たちは歓声を上げてオレンジ色の布を放り投げていた。これが一体何の祭事なのかは見当もつかなかったが、輿が通りすぎると皆散り散りになって帰っていった。私は長い階段を登って本堂を参拝した。中では熱心なチベット仏教徒たちが祈りを捧げていた。チベット仏教には多面多臂の仏が多いため、仏像を眺めているだけで飽きることはなかった。

 

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寺院からはバスターミナルまで歩き、そこから再び麗江へと戻った。この日の夜は夜行列車に乗ることになっていたので駅へ向かおうと路線バスに乗ったが、駅よりも遙か手前のバス停で降ろされてしまった。同じ系統の路線で駅まで行けるはずだったが、仕方がないので駅まで歩くことにした。結局地図を片手に4kmほど歩かされる羽目になり、途中ガリガリに痩せた野良犬が後を付いてくるなど肝を冷やした。そもそも駅に向かう路線バスなど最初から存在しなかったようで、素直にタクシーを使うべきであった。寝台列車に乗り込み、ビールを飲み干すと疲れが出てきてすぐに眠ってしまった。目が覚めると雲南省最大の都市である昆明に到着する頃だった。f:id:bluepony:20170326224706j:plain