二日酔い

 酒を多量に飲むと眠りが浅く、いつもより1時間ほど早く目が覚める。そうすると、シャワーを浴びてから朝食をとり、ゆっくりとした朝の時間を過ごすことができるので、毎日ギリギリに起きるのではなくいつもこのリズムで生活するべきだと思う。今日もそんなことを考えながら家を出ると雨上がりのせいかやけに街が明るく鮮やかに見えた。久しぶりに空に虹が架かっているのを見た。深酒した翌日は頭が冴えていると感じるが、それは大きな間違いであり、実際に仕事に取り掛かるととどうにも頭がまわらない。電話を取っても相手が言うことを適切に切り返せないし、文章を書こうとしてもなかなかまとまらない。だんだん頭がぼーっとしてきて、ここではじめて二日酔いで胃がむかついていることに気がつく。トイレに行って深呼吸し、自分はダメな大人になってしまったものだと数分間自己嫌悪に陥ったあと、席に戻ってなんとか仕事を進めようとして時計を見ると、もう正午になっていたなどというのはよくあることだ。労働者になってから学生の頃よりも酒に弱くなったと感じるが、それは仕事で神経をすり減らしたあとで飲酒をするからなのではないかと思う。とりあえず痛風にだけはなりたくない。