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ピクニックには早すぎる

 お弁当を作るようになってから1ヶ月が経った。3日坊主になることを懸念していたが、意外にも今のところは苦労することなく作り続けることに成功している。

 日曜日の夕方、笑点が始まるころに台所に立ち、大河が始まるくらいの時間までの間に5日分のおかずを作る。2時間半で10品前後のおかずを作って、平日の朝はそこからいくつか選んで曲げわっぱの弁当箱に詰める。朝お弁当箱におかずを詰めることと、昼にそのお弁当を食べること、それから夜に家に帰ることが1日のうちの3大楽しみなことだから、お弁当は心地よく日々を送るためにもはや必要不可欠な存在になった。

 けれども、若葉が増える季節になって思うのは、お弁当を持って行きたい場所は会社よりもそよ風が吹く公園のほうがよいに決まっているということだ。郊外にある静かな公園を散歩して、芝生の上でお弁当を食べ、少し昼寝をしたあとで池のボートに乗るようなピクニックをしてみたい。何年か前にも同じようなことを思ったことがあって小さな重箱を買ったのだが、ずっと埃を被ったままだ。

 こういう時、ほんとうならFlipper's Guitarの「ピクニックには早すぎる」よろしく、こっそり会社を抜けだして公園でお弁当を広げるようなことができればよいのだが、さすがにそんな度胸は持ち合わせていない。新緑の季節はピクニックには最高で、ハッピーになるのも最高であることは間違いない。大木の下に寝転んで、若葉が風にそよぐのをただ眺めていたい。もしも抜け出すことができたとしたならば、それはきっと会社が嫌だからではなくて、春の風がどうしてもそうさせたから、だから仕方のないことだ。それは私のせいではないし、どうか叱らないでほしい。いつかそんな日が来ることを夢見ている。